2024/08/28 10:07
こんにちは。
THE MIDFLOW coffee roast のオーナー焙煎士の益岡悠介です。
8/28(水)、台風は九州の近くにいるみたいです。
お店のある東京国立市は、曇っていて時折雨がぱらついています。
いつも自宅から自転車で通勤しているんですが、吹き抜けていく風が少し涼しくて気持ちが良かったです。
昨日も少し暑さが和らいだせいか、ホットコーヒーのご注文が増えました。
お店ではそのときどきの天候や雰囲気や気分に合わせて、店内にかける音楽を変えています。
雨が降っている時には、ゆったりとしたソフトなリズムのジャズを流しています。
父がジャズ好きだったことから、僕自身も全然詳しくはないんですがジャズのリズムには心が落ち着くところがあります。
幼い頃から自然に耳に入ってきていた音楽だからでしょうね。
雨の日は、どうしてもお客さんの流れはのんびりになります。
そういうときは必要な仕事をササッと済ませてしまって、
自分自身のためにコーヒーを淹れて客席のベンチに座ってゆっくりと本を読んでいます。
こういう時間も実は大切で、客席で過ごしてくださっているお客さんがどんな気持ちでお過ごしになっているのか、
ということを僕自身も感じなければならないからです。心地よくかんじてもらえるのか、気になるところはあるのか、
お客さん目線で、まさに客観的にお店を眺めるのに必要な大切な時間です。
僕自身が本に向かい、本をゆっくりと読めることができたら、きっとお客さんも心地よく思っていただける空間が作れているだろうという指標を自分の中にもっています。たいてい、「あ、あそこの掃除ができてない」「あ、窓に指紋がついている」などなど気になることがたくさん出てきてしまって読書どころではなくなってしまうことの方が多いんですけどね(笑)
でも「だからこそ」の時間なんです。お店の運営にとって大切な時間だし、もっと言えばそういうリカバリをしている時間というのは、僕自身はとても心地の良い時間なんです。
少し前に「禅」に関する本を読みました。その中で、禅僧の方々は日々の修行の中で大切にしていることは「掃除」であり「整理整頓」なのだということが書いてありました。物理的な掃除や整理整頓をすることで、自分自身の心をも掃除、整理整頓をすることができるというのです。それが日々の鍛錬、修行に繋がっていくのだと。それを学んで以来、僕自身も日々のお店の運営の中で、掃除と整理整頓を可能な限り心がけるようにしています。来てくださるお客様が少しでも心地よいと思ってくださること、そして働いている僕たち自身が心地よく働けることを心がけたいと思うんです。
よく僕自身、自分に言い聞かせる言葉があります。
「ゆっくり、じっくり、ていねいに。」
僕は会社員時代、いつもスピードを求められ生産性というものを意識させられました。
日々の仕事はいつも時間との戦いであったと言っても過言ではないと思います。
もちろん大きな会社で働いていると、多くの人が内外を問わず関わってくるので
自分のペースというものを優先はできませんから、ある程度は仕方のないことです。
僕自身も割りと仕事のペースは速い方でした。
でも、やはりどこか疑問、違和感を感じないわけにはいきませんでした。
なぜ、こんなに急いでいるのだろう?なぜ、こんなに時間に対してフラストレーションを感じないといけないのだろう?
その答えは当時出ることはありませんでしたし、今も出ていません。
きっとずっと出ないだろう、と今の僕は思っています。
人が10人いれば10通りのものの考え方がありますから、いろんな価値観がありますが
僕はあまり「急ぐ」ことに意味を見出すことができません。
経営者である以上「コスパ」という費用対効果は考えます。もちろん。
でも、「タイパ」という時間帯効果は考えません。というより考えたくない。
今は自分の好きなことを仕事にできていますから、じっくりと、たっぷりと時間をかけて
日々の仕事に取り組みたいと思うんです。
だからこそ、僕はTHE MIDFLOW coffee roastというお店を、東京の郊外である国立市に設けて
さらに駅から10分くらい歩く住宅街に作ったんです。
じっくりと、たっぷりと、自分の大切な時間を大切なことに使えるように。
ギスギスとした空気感のある世の中で、自分の時間は自分の使いたいように使う、というのが
僕自身は穏やかさを取り戻す出発点になるのではないかと思っているんです。
他人のことなんて気にしないで、自分のことを大切にした時間の使い方をする。
自分勝手とは異なる自分に軸のある時間の使い方を、僕自身は個人的に心がけるようにしています。
幼い頃に母からよく言われた「よそはよそ!」がいい意味で生きているのかもしれません(笑)