2023/10/25 19:19

参加のあと1ヶ月近くも空いてしまったのだけれど、2023年のSCAJについて書こうと思います

(仲良くしてる大阪のコーヒー豆焙煎所のN2珈琲中毒製作所®️のなっちゃんと。)

(ブースの設営をするToiさんとTrucさん)

SCAJカンファレンス&エキシビションとは、年に1度、秋に開催されるSCAJカンファレンス&エキシビションというアジア最大級のコーヒーの祭典です。



当店の店主である僕は「ベトナム・Future Coffee Farm」ならびに「日越共同法人arigatoo」「8coffee」のサポートとして2021年から参加させていただいていて、今年で3回目です。

SCAJはここ数年は一般の方向けの展示会の趣も出てきましたが、基本的には「BtoB」の色合いが強い展示会です。
つまりは、コーヒーのプロ中のプロが集まる展示会というわけです。

毎年、我がブースの総責任者であり、Future Farmの日本総代理店である「(株)8coffee」の社長ハチさんのご厚意で、僕が焙煎したコーヒー豆を一緒に販売させていただいています。とてもありがたいことで、同業であるプロのロースターの評価を会場でもらうことができることはとても価値があることです。同業のプロの目線に晒され、同業のプロのジャッジを垣間見ることにもなることは、とても緊張感の伴うことですが、僕は昨日より今日、今日より明日というように日々進化、成長していきたいと考えているので、そのためには「フィードバック」が必要不可欠です。SCAJの会場には、世界中のトップクラスの能力をもったコーヒーのプロが集まるのでこれ以上の機会はありません。今回は、ベトナムからFuture Coffee FarmのToiさん、Toiさんの協力農家さんであるTrucさん、さらにベトナムの焙煎技術大会で何度も優勝を飾っているIntenso Coffee RoastのオーナーであるAnhさん(まだ30歳!)が来日されていて、ベトナムからも1流のコーヒー関係者が勢揃いです。


(左からarigatooのtrangさん、Toiさん、Trucさん、僕。4人でランチセットを食べに行ったけど、ベトナムの人にとっては量が多すぎたみたい!)

(ToiさんとAnhさんのコーヒーチェック。マジで緊張感がただよう一瞬)

僕は2019年からToiさんとお付き合いさせていただいています。つまり、THE MIDFLOWの開業前からのお付き合いなので、Toiさんは僕のロースターとしての成長具合を毎年知ってくれている人です。僕にとっては、Toiさんの僕の焙煎しているコーヒーへの評価が、一つのメルクマークとなります。誰に飲んでもらうよりも、生産者であるToiさんに飲んでもらうのが一番緊張します。というか、自分が焙煎したコーヒーを、そのお豆を生産したご本人に飲んでもらえるなんて幸せなことを経験できるロースターは、日本に数多くロースターはあれど稀有な存在でしょう。本当に幸せなことだと思います。

Toiさんからは「また一つ腕をあげたね」と試飲してもらったあとに声をかけてもらいました。
こんなに嬉しいことはありません。2024年のSCAJに向けて、さらに腕を磨きたいと思います。


(2022年のSCAJで一緒にブースに立ったROK espressoのアンバサダーの眞喜志泰斗さん、ROK JAPANの社長さんとパシャリ)

ファインロブスタの焙煎の他に、今回は先日新発売「Vuong Farm LongBerry Java Anaerobic Natural」も展示させていただきました。
SCAJの開催に向けて、こんつめて焙煎具合を調整したものでした。店頭やオンライン販売に先駆けてSCAJ会場での販売というのは面白い試みで、会場で同業のプロや「コーヒーマニア」の方達の反応、評価、評判を感じることができるのは、とてもいい機会でした。こちらのVuoun Farmのコーヒー豆は、THE MIDFLOWのコーヒー豆では、今までになく「浅煎り」していて、僕としても挑戦的なアイテムでした。
世界的に有名な商社さんの社長が絶賛してくれたり、ブースを訪れてくださる方も、とても気に入ってくれていて、生豆の販売も進み、さらに当店が用意しておいた焙煎豆は完売させていただくことができました。



Toiさんのファインロブスタ、Vuong Farmのロングベリーは、世界トップクラスのクオリティのコーヒー豆と言っていいと思います。
それがSCAJの会場で広く認められらことは、5年のお付き合いをさせていただいている僕としてもとても感慨深いものでした。

その一方で、日本はコーヒーに関しては、いまだ過渡期にあると思います。ファインロブスタもいまだ「どうぜロブスタ」と見向きもしない人もいますし、浅煎りのコーヒーを「ただ酸っぱいコーヒー」「焼けていないコーヒー」という偏見を持ち受け入れない人もいます。もちろん、好きな人もいれば嫌いな人もいて、それはそれで当然なことでもあるのですが、コーヒー業界の未来、そして可能性を広げるという意味において完全に否定してしまうのも違うと思うのです。2050問題などが声高に叫ばれる中、もしかしたら今のようにコーヒーを気軽に楽しめる機会は減ってしまうかもしれませんし、その可能性はとても高いと言われています。そうならないように、世界中が力を合わせて、努力を続けているという現実があります。

(Garden Coffeeさんというブースでベトナムコーヒーの宣伝をしていた農家さんの娘さん三姉妹。めっちゃ明るくていい子達だった!)

(普段はお茶目なAnhくんは、コーヒーに携わる時間になるとその表情が一変。オンとオフの切り替えの速さは、さすがプロ。)

THE MIDFLOWは、1年に1回〜2回、ベトナムのコーヒー農園を訪れるなどして、農家さんのお話を直に聞いたり、自分自身農作業に参加してその実際的な部分を肌身で感じてきてるロースターです。だからこそ、伝えられることがあると思っています。SCAJでもいろんな方と、農園のお話をすることが出来ました。多くの人が「自分も行ってみたい」とおっしゃってくださいました。行くことで見えてくることがたくさんあります。ただ誰かが与えてくれる情報やテキストに乗っている知識だけで「したり顔」で評価するだけなら、誰にでもできると思います。
でも、上記のように、過渡期にある中で、少なくともプロであるのなら「もっと勉強すべきである」と自分への反省も込めて感じた3日間でした。

ロブスタは可能性が無限大です。さらに言えば、ベトナムのコーヒー豆、アジアのコーヒー豆は、これからさらに隆盛を極めていくことと思います。この波に乗り遅れることがないよう、ご注意ください。